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2005年06月29日(Wed)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第21回 ピアノの歴史 その4

楽器屋さんの「楽器」コラム 第21回 ピアノの歴史 その4

13.ショパン、リスト時代は82鍵
音域ショパン、リスト時代は82鍵にまで増大しました。
ショパンは、20歳でワルシャワからパリへわたってからは、生涯を終えるまで19年間、もっぱらプレイエル製のピアノを愛用しました。
リストは、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーなどのピアノを使っています。
拡大されたピアノの音域と、増大された音量を縦横無尽に駆使した最初の作曲家は、リストでした。

14.アップライトピアノの発明
一方、家庭用としてコンパクトなピアノが考案されたのも19世紀初頭でした。
ハープシーコードの弦を垂直方向に張ったクラヴィシテリウムは、18世紀に多くつくられたが、このクラヴィシテリウムにヒントを得て製作されたと考えられるのが、アップライトピアノです。
フィラデルフィアのジョン・アイザック・ホーキンズが1800年にその製作に成功。
場所をとらないという利点から、広く普及するようになりました。
このアップライトピアノに、さまざまな装飾をほどこしたピアノも生まれました。
ジラフピアノは、その代表的な例です。

15.ピアノのメカニズムは19世紀半ばには一応完成
19世紀の半ば、ショパン、リスト時代をもってピアノのメカニズムの原理と工夫は、一応の完成の域に達しました。
メーカーのその後の努力目標は、もっぱら質の向上に向けられていました。
ピアノの弦は、さらに太い巻線になり、また全体の張力も増大したため、それを支えるために鋳物の鉄骨を組むようになりました<1840年>。
その上に華やかな明るい音を求めるとなると、弦の張り方も限度まで張力を高めることになります。
現代ピアノの張力のトータルは、20トンにもおよんでいます。

16.現代ピアノの完成
総じて19世紀半ば以後のピアノは、大会場にふさわしい音量が要求されますので、一昔前に比べて鍵盤も長く、沈みも深くなっています。
協奏曲などでオーケストラに負けないよう、ピアノの設計もその対応が必要になってきます。
また一方でリスト時代から作曲家もオーケストラに挑戦するような作品を書くようになってきました。
音域の面でも第一次大戦後は、88鍵が標準になりました。
このようにして、音の質、タッチ、音域、音量、そして総合的に現代の要求に応えるピアノが完成されたのです。

楽器屋さんの「楽器」コラム 第20回 ピアノの歴史 その3

10.手づくりから工業生産へ
初期のピアノフォルテは、1台1台が手づくりで、その音域も18世紀の終り頃までは5オクターブが標準でしたが、1800年の境を過ぎると、年を追って音域を増してきます。
フランス革命<1789年>以後、それまで貴族のものであったピアノ音楽も一般大衆化し、ピアノ工業も大きく発達したのです。
1000人〜2000人の人達に聴かせるためのホールも出来<18世紀末>、ピアノも音域の広がりとともに、ホールで聴くにたえる音量や音ののびが要求されるようになりました。
弦はより高い張力で張られ、それを支えるフレームにも、頑丈な鉄骨が使われ始めました<1789年>。
手づくりで1台のピアノを完成させることは不可能な時代に入ったのです。

11.現代グランド・アクションの完成
19世紀年間には、ピアノ工業はめざましい進歩発達をとげ、需要の増大とともに量産に向かっていきます。
また、音量の増大だけでなく、ピアノ奏法の発達にともない、タッチの面でもピアノに対する要求は大きくなっていきました。
素速い連打やトリルなどの装飾音、速い連続したパッセージの多用<ロマン派音楽>が作曲面であらわれるに従って、ピアノのアクションにも、より敏感なものが要求されるようになりました。
この要求に応えて素速い連打を可能にする画期的な現代グランドアクションがフランスのピエール・エラールによって発明されました<1821年>。

12.さまざまな部分に加えられた改良
1820年を過ぎる頃から、ピアノの製造方法に各国で多くの改良や発明が行われました。
ミュージックワイヤーを使うようになったのもそのひとつで、それによってピアノフォルテ時代の細い真鍮にくらべて、音量が著しく増大しました。
低音の音量を豊かにするために、太い銅の巻線を使うようになったのも大きな発明です<1820年頃>。
また、スペース的な実用性を高めるために、張弦を交叉式にした交叉弦もやはり19世紀前半に考案されました。

2005年06月23日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第19回 ピアノの歴史 その2

6.ピアノの原型をつくったクリストフォリ
現在のピアノの原型をつくったのは、イタリアのクリストフォリ<1655〜1731>でした。
チェンバロの音が強弱の変化に乏しいことを不満に思い、爪で弦をはじいて鳴らす代わりに、ハンマーで弦を打って鳴らすという現在のピアノ・メカニズムを発明したのが、1709年でした。
彼はこのメカニズムを備えた楽器を”クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ”<弱音も強音も出せるチェンバロ>と名付けました。
この名称を短くつめて、現在”ピアノ”と呼ばれているわけです。
このクリストフォンの仕事は、イタリアでは継承者がなく、ドイツのオルガン造りジルバーマンに受け継がれました。
彼はクリストフォリの発明に改良を重ねて新しい製品をつくりました。
J.S.バッハは、フリードリッヒ大王に献呈されたジルバーマンのピアノを、王の御前で演奏しています。

7.モーツァルトが愛用したピアノ
ドイツのピアノ工業に最も大きな貢献をしたのはヨハン・アンドレアス・シュタイン<1728〜1792>でした。
彼はジルバーマンのメカニズムに新たな改良を加えて、ドイツ式もしくはウィーン式と呼ばれるアクションを完成。このモデルは長年にわたって評判をとりました。
シュタインのピアノは軽快なタッチと音が特長で、モーツァルトはピアノの明るく平均された音色を愛し、多くのピアノ曲を書きました。

8.バッハが初めてソロ演奏をしたピアノ
一方イギリスではヨハネス・ツンペが、クラヴィコードの流れを継承して、クラヴィコードにハンマーアクションを装置したスクウェアピアノを制作しました。
ピアノを初めてソロ楽器として公開演奏したのはJ.S.バッハの息子のJ.C.バッハでしたが<1768年>、そのとき使われたのがこのスクウェアピアノでした。

9.ベートーヴェンが好んだピアノ
そしてこのツンペの発明したイギリス式アクションに改良を加え、弦の弾力を増し、フレームも強いものにしたのがイギリスのジョン・ブロードウッドです。
彼のイギリス式アクション<1780年頃>は、抵抗感のあるタッチと、力強い音を生み出しました。現代ピアノの先駆けともいえます。
晩年のベートーヴェンは、このブロードウッド製のピアノで数々の傑作を書きました。

第20回へ続く

2005年06月09日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第18回 ピアノの歴史 その1

1.まずピアノは、その前身にクラヴィコード、チェンバロ、ダルシマーなどがあります。
そして、これらの楽器の大元はすべて1本の弦をもつ弦楽器に突き当たります。
つまり、ピアノは、もともとは弦楽器でした。しかしハンマーが弦を叩いて鳴らす意味では打楽器的要素も備え、演奏が鍵盤の操作による意味では鍵盤楽器とみなすことができます。

2.鍵盤のついた楽器の起源は、古く12世紀に求められます。
音管に空気を送り込むことで音を出すオルガンが、独自の発展をとげたかたわら、ピアノの先行楽器としては、11世紀に中近東からヨーロッパに伝えられたダルシマーがあげられます。
ダルシマーは台形の共鳴箱の上に弦を張っただけのツィター族の楽器で、弦を小さい槌で打って音を出すところから、ピアノに近い楽器とされています。

3.クラヴィコードの誕生
クラヴィコードは14世紀に生まれ、ルネサンス期に最もポピュラーな楽器となりました。
キイを押すと、タンジェントと呼ばれる真鍮の棒が弦を打ち、振動を起こさせて音を出す仕組みを備えていて、音域は4〜5オクターブでした。 またクラヴィコードはヴィブラートをかけることの出来る唯一の鍵盤楽器です。
そして、加えてクラヴィコードの重要な特性のもう一つは、その音量の小ささにあります。小さいといっても、尋常の小ささではありません。五メートルも離れると、耳をそばだてないと、細かいニュアンスを聞き取ることができないほどです。

4.ピアノに近づいたチェンバロ(ハープシコード)
1500年頃にはイタリアで生まれ、その後フランス、ドイツ、フランドル、イギリスに広まったチェンバロは、キイを押すと、細長い棒状のジャックにとりつけられた爪が弦をはじいて音を出す仕組みです。
弦や響板などの機構や、全体のかたちは最もピアノに近いと考えられます。
チェンバロの特徴としては、音量を変えることができないという大きな特徴があります。

5.家庭用の鍵盤楽器
その他、ピアノの先行楽器としては、チェンバロと仕組みが似ていますが、小型の鍵盤楽器ヴァージナルやスピネットをあげることもできます。
これらは卓上用のものも多く、とくにヴァージナルは、イギリスの家庭で16〜17世紀に愛用されていました。

第19回へ続く

2005年06月01日(Wed)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第17回 サックスの歴史

サックス

1.ベルギー生まれの楽器制作家アドルフ・サックス(Adolphe Sax、1814-1894)の発明。
木管楽器と金管楽器が分離し、溶け合わないことに着目したサックスは、両者の中間的な音色を創造することを試みました。
彼は「管楽器の音色は管内空気振動の様式を決定する管の形状によって定まる」という原則を発見し、これに基づいて、他のどの管楽器にもない放物線状に拡大する円錐管を設計しました。

2.この独特な管形状により、サクソフォンの音振動は、他のあらゆる管楽器のように管を真っ直ぐ抜けるのではなく、管体の壁面を何度も反射し交錯しながら進み、木管にも金管にも得難い特有の音色が得られます。
1846年に特許もとっています。

第18回へ続く

2004年08月28日(Sat)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第17回 サックスの歴史

サックス

1.ベルギー生まれの楽器制作家アドルフ・サックス(Adolphe Sax、1814-1894)の発明
木管楽器と金管楽器が分離し、溶け合わないことに着目したサックスは、
両者の中間的な音色を創造することを試みました。
彼は「管楽器の音色は管内空気振動の様式を決定する管の形状によって定まる」という
原則を発見し、これに基づいて、他のどの管楽器にもない放物線状に拡大する円錐管を
設計しました。

2.この独特な管形状により、サクソフォンの音振動は、他のあらゆる管楽器のように管体を
真っ直ぐ抜けるのではなく、管体の壁面を何度も反射し交錯しながら進み、木管にも
金管にも得難い特有の音色が得られます。
1846年に特許もとっています。

第18回へ続く

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2004年08月18日(Wed)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第16回 チューバの歴史 -その1-

チューバ

1.チューバも他の金管楽器と同じく、最低三本のバルブで音階を埋めることができます。しかし実際に三本であることはまれで、テナーチューバで通常四本、バスやコントラバスでは六本もずらずら並ぶものもあります。ピストン/ロータリーの選択、右手左手どちらに並べるかも自由で、右手の人差し指〜小指で4ロータリー、右手4ピストンに親指の第5のみロータリー、左右三本ずつの6ロータリーながあり、例を挙げるとキリがありません。

2.ユーフォニアムは四本ピストンが標準的です。1〜3番は他の金管楽器と共通で、第1が2半音、第2が半音、第3が3半音、音程を下げます。4番は、1+3番を押したのと同じ効果で、完全4度分に相当する迂回管に接続される。そして1+4番でつごう半音7つ分、完全5度下がる計算になるが、実際にはそうならないそうです。

3.第4バルブによって管長が5半音=完全4度分長く、つまり4/3倍になっているので、さらに2半音下げるためには、この4/3に対して2半音の延長を行わなくてはなりません。4番に限らず、バルブを多く押すほどこの誤差は無視できない大きさになり、四本全部押した状態では(1番から順に2、1、3、5半音だから、単純計算では11半音=長7度)求める音より半音近く高くなってしまい、四本のバルブだけでは、ユーフォニアムの特長である基音までの半音階が埋められなくなってしまいます。この誤差を埋めるためにユーフォニアムに装備されているのが、ホルンのセミダブル方式と同じコンペンセイティング(音程補正)システムという機構であり、2重構造になっているピストンを息が2回通り、誤差分を補正するようになっています。

4.バス・コントラバスチューバにもこの機構を採用した楽器はあり、ただでさえ管の巻きが複雑なのにさらにぐちゃぐちゃと巻かています。なお、ワーグナーチューバにもこの方式を採用した楽器があるが、ホルンの仲間であるためか、コンペンセイティングなどという名前ではなく、ホルンと同じようにセミダブル或いはフルダブルと呼ばれています。

5.では、五本、六本のバルブを備えたテューバは何なのでしょうか。第5、第6バルブは2/3音、或いは4/3音下げるもので、上記コンペンセイティングのような音程補正を、この微分音ヴァルヴにより手動で行うものになります。例えば、完全4度の4番に4/3音のヴァルヴを足せば、正確に完全5度下の音を得る、というふうになります。

第17回へ続く

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2004年08月06日(Fri)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第15回 ホルンの歴史 -その3-

ホルン

8.ホルンのヴァルヴは一通りのものが試された結果、19世紀終わり頃にはローター式が主流となり、以後ほとんどすべてのホルンがローター式になっています。ロータリーヴァルヴは1835年の開発当初から現在とほとんど同じ構造を持つ非常によくできた機構であったため、ロータリーホルンの基本的形態は、現在に至るまでほとんど変わっていません。

9.一本の楽器に、なぜ複数の調性の楽器を組み込む必要があるのか。その答えはホルンの使用する音域にあります。ホルンは金管楽器のくせに、四オクターヴに迫る実用音域を持っています。
ちなみに、木管楽器で最も音域の広いものはクラリネット属の四オクターヴ弱、弦楽器でも四オクターヴを少し超える程度だから、ホルンの音域がいかに広いかが分かると思います。

第16回 へ続く

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2004年08月05日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第14回 ホルンの歴史 -その2-

ホルン

5.ストップ奏法は現在でも、音質を変えるのみの目的で用いられており(ドイツ語でゲシュトプフと呼ばれることが多い)、ひとつ間違えば騒音然とした金属的な響きは、特にロマン派後期以後のオケには欠かせない演奏効果となっています。
ベルリオーズ(Hector Louis Berlioz, 1803-1869)は楽器の新しい音色を追求した先駆者・革命家で、ストップ奏法の他にも、サスペンデッド・シンバルの使用、弦を弓の木部で叩くコル・レニョ奏法など、斬新な工夫をいろいろと試みています。

6.他の金管楽器には、管に穴を開けて音程を変えるしくみが発達した(セルパン、キイ付きトランペットやオフィクレイド)が、ホルンだけは上記ストップ奏法のおかげで(せいで!?)穴が開けられることはなかった。しかし時は1820年頃、他でもさんざん述べたようにヴァルヴ機構が発明され、ホルンにも取り付けられたことで大きな変革を迎えます。半音階が無理なく演奏できるようになり、同時に音域と演奏技術の面からF調の楽器が中心になったため、1850年頃を境にして、ホルンの用法はガラリと変わることになりました。

7.例えばベートーヴェン。ヴァルヴが登場したばかりの頃、1827年に世を去ったベートーヴェンの作品は、ホルンにヴァルヴの使用を想定したと思われるものがほとんど見られません。ホルンはその曲や楽章の調性に合わせた調、あるいは関連する調の楽器が指定され、使用されている音も自然倍音列か、ストップ奏法によって上下する範囲の音に限られています。一方、ヴァルヴ以降の作品、チャイコフスキー(1840-1893)あたりからは、ホルンの調性はほぼFに固定され、
半音階も自由に用いています。ただしブラームス(1833-1897)は「ヴァルヴ以後」の年代であるにも関わらず、頑なに古い用法を守っていたようです。

第15回 へ続く

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2004年07月31日(Sat)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第13回 ホルンの歴史 -その1-

ホルン

1.もともとは狩猟民族が動物の角で作り、狩猟や戦争の際に信号用として用いた楽器がホルンの元祖です。
天然素材を用いるていたので、自然に円錐管になりました。日本は農耕民族なので動物の角というのは無かったのですが、似たような管形状・用途で 法螺貝というのがこれに相当しまする。


2.材料は天然素材からやがて人工物となり、馬上で吹きやすくするよう、長い管を大きく巻いて、肩に担げるような形となりました。
馬を刺激しないよう、かどうか、この形にするとそうするのが最も自然だったようで、この「狩のホルン」の頃から、ベルは後ろを向いています。

3. 17世紀中頃から、ホルンは芸術音楽にも用いられるようになりました。自然倍音のみを用いた、いわゆる「ナチュラルホルン」の登場です。
用途が「信号」から「音楽」へと変わったことで、曲の調性に合わせて複数の楽器が用意されるようになりました。
現代の感覚からいうと12本の楽器が必要であったはずであるが、当時は調性も限られていたから、五〜六本で事足りたようです。

4.しかし、ただでさえ大きくて収納性の悪い楽器を数本も持ち歩くのは辛いとみえて、18世紀のはじめには、管の入口とマウスピースの間に延長管を付け、楽器の調性を替えるしくみが考案され、やがて演奏中にも交換を容易にするため、入口でなく管の途中に迂回管を付けるようになりました。この楽器は「インヴェンションホルン」と呼ばれ、直訳すると「発明ホルン」となってしまうが、ともかく楽器一本のみで複数の調が得られるのは斬新な発明だったと思われます。

第14回 へ続く

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2004年07月29日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第12回 フリューゲルホルンの歴史

フリューゲルホルン

1.A.サックスが創った金管楽器群、サクソルン属のうち高音側から2つ、Eb管とBb管のソプラノビューグルを指します。
管長はトランペットやコルネットと同じくらいですが、円錐の口径は他の2つよりもずっと広いので、もっとも幅と深みに富んだ柔らかな音を発します。金管バンドでは主役級であるし、吹奏楽やジャズでも好んで用いられ、その独特の音色を発揮します。

2. マーラーの交響曲三番の三楽章に「Posthorn in Bb」という指定のソロがあり、これは短いBb管のポストホルン、すなわちコルネットで演奏されるのが、楽器の発達史からいったら道理です。しかしコルネットがトランペットを模倣し、円筒管に近くなっていった一方で、フリューゲルホルンは太く広がったベルを持ち、円錐管形状を保っていることから、現在このソロはフリューゲルホルンで演奏される事がほとんどです。

3. 音域は上のトランペットやコルネットと共通で、ヴァルヴはピストン式がほとんどだが、オーストリアの金管バンドでは、フリューゲルホルンに限らずロータリー式の楽器がずらりと並びます。

第13回 へ続く

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2004年07月25日(Sun)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第11回 コルネットの歴史

コルネット

1.コルネットとトランペット
前回、前々回のトランペットでも書きましたが、円筒管のラッパから進化したトランペットに対し、コルネットは円錐管を持つホルン、正確には郵便馬車や駅馬車の発着を知らせるポストホルンから進化した別属の楽器になります。現在のコルネットは、いくらかトランペットを真似して、管の前半部が円筒、後半部が円錐というように両方の管形状を併せ持っています。このため音はトランペットに近くなりましたが、コルネット本来の俊敏さも残しているため、より旋律楽器としての役割が大きい吹奏楽団や金管バンドに、コルネットは欠かせない存在になっています。またオケにおいても、フランスやロシアの作曲家に用例が多く見られるように、旋律楽器としてオプションの位置を占めています。
コルネットの音域は、トランペットの音域と同じです。奏法もほぼ共通です。ただし、吹き比べて見れば一目瞭然で、ただ音階を吹くだけでもコルネットの方が断然吹きやすいといわれています。

2.
軍楽隊や吹奏楽団ではもちろん、19世紀にはオケのトランペットをも蹴落とし活躍したことで、楽器の特長である運動性もあり、コルネットには多くのヴィルトゥオーゾが生まれました。そのひとりがアーバン(Joseph B. Arban, 1825-1889)で、彼の書いた教則本は現在でもたいへんに重用されていまする。

3.機構
ヴァルヴはピストン式がほとんどです。原因は運動性が損なわれることと、音色の面でトランペットと違いがなくなってしまうことでは内科と思われます。
 調性は、BbとかEb系列の楽器でほとんどが占められる金管バンドで多く用いられることから、トランペットと同じBbと、それより四度高いEb管の二種類にほぼ限定されます。

第12回 へ続く

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2004年07月22日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第10回 トランペットの歴史 -その2-

4.トランペットとコルネット
このようなトランペットの不遇は19世紀末まで続くが、それを断ち切ったのは皮肉にもコルネット自身でした。作曲家も演奏する側も、コルネットの持つ運動性を求めるような風潮の中、トランペットはその高貴な音色を失う代わりに、コルネットの短管を模倣することによって、以後の音楽の要求への適応性を手に入れました。

5.現代
現代のトランペットはピストンバルブ、またはロータリーバルヴを備えた、円筒部分が長い短管の高音金管楽器で、今世紀になって一般化されたものです。BbとC管がもっとも一般的で、そのほかにD、Eb、F、ピッコロA、ピッコロBb管などがあり、オーケストラではバルブシステムの違いも含めて、複数の楽器を用途によって使い分けます。吹奏楽やポピュラーにおいて「ピストン式のBb管」が圧倒的多数を占めるのは、バルブ発明以後さまざまな調の楽器が試された結果、Bb管が音質や音程の点で最も安定しており、しかもピストン式の輝かしい音色が好まれたという理由が考えられます。

第11回 へ続く

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2004年07月21日(Wed)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第9回 トランペットの歴史 -その1-

1.古代
トランペットの歴史は古く、元来金属製の一本の直線的な金管楽器の総称で、有史以前にまでさかのぼれます。
それらは宗教的、世俗的な行為の合図として使用されました。音楽的なトランペットは14世紀末に出現し、現代の楽器の倍程度の倍程度の管長を持ち、S字形やホルン状に巻かれた形状をしていました。長管の高次倍音を用いることにより、不完全ながらも音階を奏することができて、また独特の高貴で壮麗な音質を保っていました。

2.18世紀頃
18世紀中頃、トランペットに訪れた変わった話がキイ・トランペットになります。それまで自然倍音のみ、またはせいぜい2つのトーンホールを指で開閉するのみで演奏していたトランペットが、複数のトーンホールを開け、キイによって開閉するシステムの発明により、半音階を演奏可能にしました。ハイドンの協奏曲はこのキイ・トランペットのために作曲されたと言われています。

3.19世紀頃
19世紀にヴァルヴシステムが発明され、トランペットにも当然これが適用されましたが、従来と同じ長管の楽器に装置されたため、高次倍音列の音程の狭さと直線的な管形状による音の不安定が災いして、演奏上非常な困難を伴いました。
一方、ポストホルンにヴァルヴを付け、コルノ(ホルン)の高音楽器という意味の名称を持つコルネットが、ちょうどこの頃登場しました。
ヴァルヴの使用を前提として、同じ音域を持つトランペットの半分の管長で開発されたコルネットは、トランペットのような高貴な音色は得られない代わりに、速く複雑な楽句を演奏する運動性に優れていたので、一時オーケストラでの位置をトランペットから奪うことになりました。

第10回 トランペットの歴史 そのに2へ続く

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楽器屋さんの「楽器」コラム 第8回 ファゴットの歴史 -その2-

3. 18,19世紀
1800年代のほとんどの楽器の標準型は四鍵式(As,F,D,B)であり、モーツァルトのコンチェルトもこの楽器で奏されたと想像されています。同じ頃にEs鍵も付き、約10年遅れてFes鍵が付きました。
これで世紀末に使われ始めた六鍵式ファゴットが完成しました。そしてドイツやイギリスでも徐々に改良されました。19世紀の木管楽器発達史は、古代時代の優雅で簡素だった木管楽器を今日の複雑な機構を持ち、非常に軽やかで早い旋律を奏すことの出来る、木管セッションに変貌させた新発明の時代であるといえます。
ベームが、ベーム式フルートを作ったのはちょうどこのころです。クラリネット、オーボエも改良が進み、低音部を受け持つファゴットも負けてはいられなかったようです。
ヘッケル式バズーンは、軍楽隊長カルル・アルメンレーダという人が、あまり優秀ではない学生たちの訓練に手こずったために、試行錯誤した末、安定したむらのない音を得ることが出来ましたが、「新しいバズーンの明瞭で堅い音色と大きな音量は、古いバズーンの繊細で柔らかい音てょど心地よいものではない」と、ヘッケルの記述には残されています。だが、この新式バズーンも改良を加えられて、現在の楽器が出来ました。

4. 20世紀
 20世紀に入り、楽器はほとんど構造を変えていません。これからは、楽器の生かし方に焦点が変わってくるといえるでしょう。 

第9回へ続く
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2004年07月17日(Sat)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第7回 ファゴットの歴史 -その1-

1. ファゴット(バスーン)
ファゴットのようなダブルリード楽器は、人類がより高度な知能を持ったからこそ出来た楽器であるともいえます。
原理はシングルリードと同じく、まずリードで振動を作ります。ですが、その振動を起こすまでのプロセスは非常に難しいしこんがらがっています。
そんな近代的楽器であるダブルリードの起源は、4000年前からすでにあったといわれています。メソボタミア王の古墳から発掘された中に、出土品・壁画にそれと似たようなものが描かれているといわれています。
実は、ファゴットという楽器が完成したときは正確には分かっていません。 

2. 16,17世紀
1500年頃、ウィリアム五世の結婚式の中でトロンボーンやコルネット、リコーダーが使われたという記録があるから、この時代あたりからだんだん使われるようになったと推測されます。
この年代に使われていたショーム、ドゥルシアン、ランケット、ソルドゥンなど、現代ファゴットの前身となる楽器が幾人の努力で制作されていました。
1600年頃の同族楽器には、高音域から低音域まで、アルト、テナー、レビター、バスなどの楽器が作られていました。大体、一オクターブ弱しか持たなかったと思われます。
非常に柔らかく、弱い音の楽器に、飽き足りない人たちがもっと豊かな音色や力強い音量、広い音域を求めて、バロック・バズーンを作る道を進むことになったと推測されます。

第8回 ファゴットの歴史 その2へつづく
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2004年07月16日(Fri)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第6回 クラリネットの歴史 -その2-

4. ドイツ式とフランス式の発展
 パリ音楽院にクラリネットのコースが出来、初期の教授であるザビエル・ルフェーブル(X.Lefecre 1763-1829)の頃には、6鍵になり、ドイツ人の名演奏家であるイワン・ミュラー(I.Muller 1786-1824)が幾度の発明や改良の末、1810年頃、13鍵の楽器を開発した。この楽器は、どの調性の曲でも吹けるということで、有名になりました。この種類の楽器は、ベルギーのサックスやアルベール(アルバード)やドイツのヘッケルなどのメーカーが作るようになり、ミュラー式楽器の時代が来ました。これが、現在のドイツ型(エーラー式,ウィーン式)などの基礎になっています。
 一方フランスでは、ベーム(Th. Boehm 1794-1881)が開発した連結リング方式を応用して、当時としては機械的に見て、全く新しいものを開発した。これが、フランス型、ベーム式と呼ばれます。この機構はほとんどそのまま現在に引き継がれています。明るい音色、単純で故障の少ない、運指が簡単と、広く世界に用いられています。


5. あいのこ
 ドイツ式の楽器は、低音部分がやや貧弱という難点も残されていました。それは、フランス型の内径が太く、広がり具合も違ったからです。
 また、近年では、ドイツ型の運指の複雑さを避けるために、ドイツ式の内径のまま、ベーム式のの機構を持つ楽器が作られています。
ドイツ型とフランス型の<あいのこ>のようなもので、ドイツ式の音色をフランス式の運指で得ようというものです。


6. 現在の形
 現在、様々な形があるものの、各国の交流などで各々の差がすくなり方向になってきています。
 ドイツ式を使っている奏者は、やや小さめで堅めのリードをヒモでマウスピースに括り付けているといいます。
曰く、リードの振動を妨げず、柔らかく発音するのに最適、だそうです。フランス式では、ご存知の通り、リードをマウスピースにリガチャーで固定しています。

2004年07月15日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第5回 クラリネットの歴史 -その1-

1. クラリネット
 クラリネットと呼ばれる楽器を作ったのは、1690〜1707年の間にドイツのフルート製作者、デンナー(j.C.Denner 1655-1707)によって作られたのが定説です。
 また、「シャリュモー」と呼ばれる一枚リードの縦笛がこの楽器の原型となったと言われています。
 クラリネットの語源は、この楽器の中音域から高音一部の音の響きが、遠くから聞こえてくるトランペット(小型のトランペットをクラリーノと呼んでいた)に似ているからそう呼ばれるようになったと言われています。

2. 音域の呼び方と最初のクラリネット
 また、基音部分の音域を「シャリュモー音域」と呼ぶのには理由があります。
 シャリュモーは、今で言うリコーダーに似たような形状を持っていました。これは、一つの形態でしかないが(様々な形があったそうだ)、その「シャリュモー」は、現在のクラリネットのシャリュモー音域しか出なかったといわれています。
そこで、二つの鍵を付けて、さらに音域を広げたものが、最初のクラリネットと言えます。
 2つの鍵がなくてもシャリュモーで出せる音域が、シャリュモー音域と言われるようになったそうです。


3. 古典時代
 次に第三倍音のHの音程を正確に出すため、管の長さがやや伸び、Es鍵とCis鍵を追加し、5鍵式クラリネットが完成しました。
また、当時は低音域よりも中・高音域の方が良い響きをしていたらしく、協奏曲などにもその特徴が現れています。
 ちなみに、モーツァルトがオーストラリアの名人シュタットラーの為に書いた有名な五重奏曲、協奏曲や室内楽曲の多くは、この5鍵式の楽器だったそうです。
 また、この頃の楽器は、下管(上記)を調に合わせて交換していたそうだ。だが、よく考えれば上管は同じなのだから、正確な音程を取るのは難しかっただろうと思われます。

第6回 クラリネットの歴史 その2 に続く

2004年07月11日(Sun)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第4回 フルートの歴史 -その2-

4. ベーム・フルート
 19世紀の初め、ドイツの名手、テオパルト・ベームは、色々な改良型のフルートを発表していたが、1831年にドイツを訪れた際に有名なフルート奏者、ニコルソンの大きな響きと渦巻くような激しい上昇半音階を聞いて、徹底的なフルートの改良を思い立ちました。演奏活動をやめ、故郷のミュンヘンに帰り音響学を学び何度と実験を繰り返して、1847年にベーム・フルートと呼ばれる今日に至るフルートの原型を完成させました。今までの不条理な円錐管を清算して頭部管に放射線を採用したので、胴部および足部は完全な円錐管となり、音響学的な半音階の位置に音孔を配置することが出来ました。音孔と歌口はニコルソンの楽器にヒントを得て、きわめて大きくしたために手で指孔を指で押さえきれなくなり、全部の指孔にカップ・キーでおさえるようにし、鍵機構の連結により指の位置と運指をきわめて合理化しました。それで全ての調を自由に演奏できるようになりました。また、ベームは本体の材料に銀を採用し、音の明確さと機敏性のある楽器にしました。

5. ピッコロ
ピッコロは小さいためにどうしても近代化が遅れるが、ピッコロのサイズで寸法で放射線頭部管の楽器を作成するのはどうしても難しいそうです。
その傾向か、先細の円錐管を取り入れた木製ベーム式ピッコロが主に使われているそうです。


第6回 クラリネットの歴史 に続く

2004年07月08日(Thu)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第3回 フルートの歴史 -その1-

1. フルート (ピッコロ)
フルートの元となった楽器は「横笛」です。
現存するヨーロッパの横笛とその文献は、ルネッサンス時代に現れてくる。それによると、16世紀までの横笛は内径が一様の木製の円錐管で、片方がコルクで閉じられていて、閉じられている方に吹口があって、他の側に6つの指孔(音孔)がありました。
当時の横笛は、ファイフ、フィフル、シュヴェーゲルなどと呼ばれ、時にはスイスのフルート、ドイツの笛、横の笛、軍隊の笛などと言いました。
当時の横笛は音が鋭く、野外音楽や民族音楽に適していたと思われます。特に小さい方の横笛、ピッコロは民族楽器、管楽隊の楽器として19世紀まで残っていました。

2. オーケストラとしての横笛
17世紀後半、横笛は"オーケストラとしての横笛"として改良されました。それまでは単純な一本の管で作られていた横笛は、三つの部分に分けられました。
頭部が太く胴体、そして足部に向けて細くなる円錐管に生まれ変わったのである。指孔を狭くしたので空いている下方の孔を閉じる、クロス・フィンがリングなどによって、2オクターブ分の全半音階を楽に出すことが出来るようになりました。彫刻などもされ、ソロ楽器としても脚光を浴びました。
16,17世紀ごろ、フルートという名前は縦笛に使われ、横笛は「フラウト・トラヴェルソ」などと呼ばれていたが、18世紀半ば頃には縦笛が廃れ、フルートというと横笛を指すようになってきました。
18世紀前半には各地のピッチがあまりにもまちまちだったため、1720年頃から胴部管を二分していろいろな長さのものを用意したり、頭部のコルク栓をねじで移動できるようにしたり、音孔配置の比率を変更したりと苦心をしていました。また、より複雑な円錐管が作られてるようになりました。
以後、この型のフルートが19世紀初頭までの主要なフルートとなっていきました。

3. 複雑な機構
モーツァルトからベートヴェンと次第に複雑な調性変化を多く使われてきたので、ニ長調以外の音にも音孔をあけて、それにクローズト・キーをつける多鍵式のフルートが作られました。
指孔は指を押さえると音が下がるが、クローズド・キーは逆に音が上がる。両者は音に対する指の動きは正反対になリます。クローズド・キーを多用すると(しなくても)指遣いは非常に複雑になってしまうので、これはとても大問題でした。だが、最終的にはベーム・フルートの登場で解決することとなったのです。

その2へ続く

2004年07月02日(Fri)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第2回 管楽器について-その2-

今回は管の形による違いからお話を続けていこうと思います。

管楽器には、大まかにいって円筒管と円錐管が組み合わされて使われています。円筒管は、管の内径(内側の直径)が端から端まで変化しない、つまり太さが一定の管のことで、直管ともいいます。
管全体に対して円錐管の占める割合が多いほど音は柔らかく太くなり、円筒管の占める割合が多いほど輪郭のはっきりとした音になります(例えば、コルネットは円錐管の割合が多く、トランペットは円筒管の割合が多い)。
また、円錐の広がる度合いが大きいほど音の柔らかさと太さが増します。コルネットのショート・モデルとロングモデルにもこの特徴が表れています。


次に楽器の素材の違いについてのお話です。

まず金管楽器は真ちゅう(ブラス系)のものと、洋白系のものがあります。
真ちゅうは、外観が美しいため、古くから金管楽器の管体材料として使われ、そこから生まれる音が金管楽器のイメージとされてきました。
洋白は白色で、光沢があり、洋銀、ニッケル・シルバーとも呼ばれます。真ちゅう以上にサビに強く、重厚な音色が特色です。

金管楽器のベル材質と音色
イエローブラス:明るく、張りのある音色
ゴールドブラス:幅のある豊かな音色
レッドブラス:柔らかく、落ち着きのある音色

木管楽器は、ピッコロやクラリネット、オーボエなどの管体材料には一般的にはグラナディラという黒くて硬い木が使われます。金属加工なみの精度が得られ、木としては温度、湿度による寸法の変化も小さいのが特徴です。他に、強度に優れ、湿度変化にも強いABS樹脂が用いられます。

フルートの管体材質
銀:最も広く用いられ、音に落ち着きがあり、吹き手から幅広く前に広がっていく感じ。
金」銀よりはクリアな音で、鋭く前に広がっていく感じ。吹きこなすにはパワーが必要。
キュプロニッケル:明るくブリリアントな、銀よりも硬めの音。比重が小さく、比較的楽に鳴る。

第3回へ続く

2004年06月26日(Sat)▲ページの先頭へ
楽器屋さんの「楽器」コラム 第1回 管楽器について

「楽器のことなら西日本楽器」のブログの管理人です。
私個人も今までいろいろな楽器を演奏してきてまいりましたが、いま私の演奏している楽器は
ファゴットという楽器です。
このファゴットだけでなく身の回りのいろいろな楽器を取り上げていこうと思います。

第1回目は管楽器についてです。

管楽器の音の原理は、楽器に空気を吹き込むと、発音体(リード)が振動し、それが空気の波となって管体に伝わります。 空気の波は、いったん反射して管内を逆方向に進み、発音体に影響を与えます。この繰り返しによって空気が安定した振動になります。 この管の中の空気柱の振動の一部が外にもれ出て耳に達し、音として伝わります。

管楽器は、発音体によって
1)リップリード
2)リード
3)エア・リード
に分けられます。

1)は唇が発音体となるもので、金管楽器は全てこれにあてはまります。
2)は植物の茎から作られ、1枚リード(クラリネット、サクソフォン)と2枚リード(オーボエ、ファゴット)があります。
3)は人間の口で作られる空気の平たいビーム(束)で、フルート、ピッコロ、リコーダーがこれにあたります。

木管楽器と金管楽器の違いについてですが、管が金属製のものが金管楽器、木製のものが木管楽器と一般的に呼ばれますが、そのパターンにあてはまらない楽器もあります。現在はほとんど金属製なのに、以前は木製だったため木管に分類されるフルートと、金属製なのにリードが使われるので木管に分類されるサクソフォンがそれです。
じつは木管楽器・金管楽器とは、発音体で区別されていると考えるといいでしょう。

金管楽器-リップリード-トランペット
           トロンボーン
           ホルン
           チューバ
           コルネットなど
木管楽器-エアリード-フルート
          ピッコロ
    -リード(1枚)-クラリネット
           サックス
    -リード(2枚)-オーボエ
           ファゴット

第2回へ続く

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